七五三のご祈祷でいただいたお札は、神棚の宮形の中か、入らなければ宮形の横に祀るのが一般的です。祀る期間は1年がひとつの目安で、役目を終えたお札は受けた神社へお返しすると考えておくと、家に帰ってから慌てずに済みます。
晴れ着での撮影や食事会が終わり、ひと息ついたところで「このお札、どこに置けばいいのだろう」と手が止まる方もいらっしゃいます。千歳飴を神棚に供えるかどうかも、迷いやすいところです。
私たち「高嶺の榊」は、富士山の麓で神棚に供える榊を育て、お届けしている榊農家です。神社本庁や東京都神社庁、各神社の案内をもとに、七五三のお札と千歳飴の扱いをまとめました。作法は一般的な例として紹介しており、地域や神社によって異なることがあります。
七五三でいただくお札とは?

七五三のお札は、子どもの成長を感謝し、これからの健やかな成長を祈ったご祈祷の証としていただくものです。神社によって、お札と一緒にお守りや千歳飴などが授与されます。
子どもの成長に感謝する人生儀礼のお札
七五三は、子どもが無事に育ったことを祝い、氏神さまやご先祖さまに感謝してこれからの成長を祈る人生儀礼です。
神社本庁によると、七五三は3歳の「髪置(かみおき)」、5歳の「袴着(はかまぎ)」、7歳の「帯解(おびとき)」という古くからの風習に由来するといわれています。11月15日に盛大に祝うようになったのは江戸時代からで、5代将軍徳川綱吉が息子の徳松の健康を祈願したことが庶民に広まったともいわれます。
医療が進んでいなかった時代は、子どもを七五三の年齢まで育てることが大変なことでした。「七つまでは神の内」という言葉にも、その思いが表れています。
ご祈祷の授与品はお札・お守り・千歳飴など
七五三のご祈祷でいただく授与品は神社ごとに異なり、お札にお守りや千歳飴、記念品が添えられることが多くあります。
たとえば東京・日本橋の水天宮では、七五三詣の撤下品(てっかひん)として、御神札・幣串(へいぐし)・御守・千歳飴などが案内されています(2026年10月時点の公式サイト記載)。神田明神では七五三お守りと千歳飴、日枝神社ではご祈祷の記念品として千歳飴が授与されます。
袋の中身を一度テーブルに出して、お札・お守り・幣串・お菓子に分けておくと、それぞれの置き場所を考えやすくなります。
七五三のお札は神棚のどこに祀る?

神棚がある家では、七五三のお札も神棚にお祀りするのが基本です。宮形の中に納めるか、入らなければ宮形の横に並べます。
宮形に入るお札は氏神さまのお札と並べる
宮形に納める場合は、神宮大麻(伊勢神宮のお札)、氏神さまのお札、崇敬する神社のお札という一般的な順番に当てはめて並べます。
神社本庁によると、三社造りの神棚では中央に神宮大麻、向かって右に氏神さま、左に崇敬する神社のお札を祀ります。一社造りでは、神宮大麻を一番手前にして、その後ろに氏神さま、崇敬する神社のお札の順に重ねます。
七五三でお参りしたのが地元の氏神神社なら氏神さまの位置、それ以外の神社なら崇敬する神社の位置と考えると、置き場所を決めやすくなります。
宮形に入らないお札は横に並べる
大きくて宮形に入らないお札は、宮形の横に丁寧に並べてお祀りします。
神社本庁は、お神札の数が増えて宮形に納められないときや、入らない大きさのお神札は、宮形の横に丁寧に並べるよう案内しています。東京都神社庁も、ご祈祷でいただく木のお神札は宮形の左右に祀るとしています。
ご祈祷のお札は、ふだん神棚に納めている紙のお札より大きいことがあります。無理に宮形へ押し込まず、横に立てかけて倒れないようにしておくと安心です。
幣串はお札の前に置く
ご祈祷のときにお祈りを込めた白い幣串をいただいた場合は、お札の前にお祀りする形が案内されています。
水天宮は、ご祈祷の際にお祈りを込めた白い幣串を御神札の前に祀るよう案内しています。幣串の有無や形は神社によって違うため、袋に説明の紙が入っていれば、その内容を優先すると安心です。
神棚がない家では七五三のお札をどこに置く?

神棚がなくても、七五三のお札はお祀りできます。目線より高く、明るく清らかな場所を選ぶのが一般的な考え方です。
目線より高い棚やタンスの上に置く
神棚がない家では、目線より高い棚やタンスの上をきれいにして、お札を立ててお祀りする方法があります。
神田明神は、ご祈祷でいただくお札について、神棚が無ければ目通りより高い位置に祀るよう案内しています。東京都神社庁は、神棚のない家庭ではタンスや本棚の上をきれいにして宮形を置くのもよいとしています。
神社本庁は、神棚を設けられない場合はお神札をお祀りするだけでもよく、できる形でお祀りすることが大切としています。
南か東向きの明るい場所を選ぶ
お札の正面が南か東を向くように置き、家族が集まる明るい部屋を選ぶのが一般的です。
神社本庁は、神棚を清らかで明るく目線より高いところに設け、お神札の正面が南か東を向くようにするとしています。水天宮も、家族が集まる所の目線より高い位置に祀るよう案内しています。
間取りの都合で向きを合わせられない家もあります。向きにこだわりすぎるよりも、毎日目に入り、手を合わせやすい場所を優先するのも一つの考え方です。
お神札立てや簡易神棚を使う
お札が倒れやすい場合は、卓上で使えるお神札立てや、場所を取らない簡易神棚を使う方法もあります。
神社本庁は、神棚の種類として宮形のほかに、モダン神棚や卓上で気軽にお祀りできるお神札立てを挙げています。七五三をきっかけに、お札の置き場所を決めておきたいという家庭もあるでしょう。
置き型・壁掛けなどの種類や大きさの選び方は、簡易神棚・モダン神棚の選び方の記事で紹介しています。
七五三のお札はいつまで祀る?

七五三のお札を祀る期間に、全国共通の決まりはありません。1年をひとつの目安にしながら、受けた神社の案内に合わせると安心です。
1年をひとつの目安にする
お札は1年ごとに新しく受けるのがよいとされているため、七五三のお札も1年を目安にお祀りする家庭が多くあります。
神社本庁は、お神札は1年ごとに新しく受け、前の年のお神札は受けた神社に納めるとしています。11月の七五三でいただいたお札なら、翌年の秋まで、あるいは年末に神棚のお札を新しくするときまでと考えると区切りがつけやすくなります。
伊勢神宮は、年末に前年のお神札を氏神神社に感謝を込めて納めると案内しています。年末の神棚の掃除にあわせて、七五三のお札も一緒に見直す流れにしておくと忘れにくくなります。
願いが叶ったときにお返しする神社もある
神社によっては、1年という区切りではなく、願いが叶ったときにお札をお返しするよう案内しているところもあります。
水天宮は、それぞれの願いが叶った暁に、受けた御神札・御守をお志と共にお返しし、神さまへご奉告するとしています。七五三のお札の期間は神社によって考え方が違うため、受けた神社の授与所でたずねておくと確実です。
次の七五三まで祀るか、1年で区切るかを家族で話し合っておくのもおすすめです。兄弟姉妹がいる家では、それぞれのお札をいつ受けたかをメモしておくと、返す時期を間違えにくくなります。
七五三のお札はどこに返す?

役目を終えた七五三のお札は、受けた神社にお返しするのが基本です。遠方の場合は、郵送や近くの神社への返納を相談できることもあります。
受けた神社の古札納め所へ
七五三のお札は、いただいた神社の古札納め所(返納所)にお返しするのが基本です。
神田明神は、お札やお守りは基本的にお受けになった神社へお返しするものとしています。紙製・木製など燃やして問題ないものはお焚き上げできる一方、人形や達磨は受けていないと案内しています。
お返しするものは神社ごとに違うため、千歳飴の袋や記念品は返納所に入れず、家庭で処分すると考えておくと迷いにくくなります。
遠方なら郵送や近くの神社に相談する
旅先など遠くの神社でいただいたお札は、郵送での返納や近くの神社への返納ができる場合があります。
神田明神は、受けた神社へのお返しが難しい場合、郵送での返納や近くの神社への返納ができる場合があるので、返す神社に直接たずねるよう案内しています。神社本庁も、遠くの神社で受けたお神札は、近くの神社などにお焚き上げしてもらえるか問い合わせてから納めるとよいとしています。
年明けのどんど焼きで納める方法
多くの神社では、大晦日から1月15日までの間に左義長(さぎちょう)・どんど焼きが行われ、古いお神札がお焚き上げされます。
神社本庁によると、どんど焼きでは正月飾りや古いお神札がお焚き上げされます。年末に神棚のお札を新しくする家庭なら、七五三のお札も一緒にまとめておき、どんど焼きに合わせて納める方法もあります。
七五三の千歳飴は神棚に供える?

千歳飴を神棚に供えるかどうかに、決まった作法はありません。家庭のお祝い事として神棚に供え、下げてから家族でいただく形をとる家庭もあります。
千歳飴は長寿を願うお祝いの飴
千歳飴は、子どもの長寿を願って七五三に用意される縁起物の飴です。
明治神宮によると、千歳飴は元禄・宝永(1688〜1711年)ごろ、江戸浅草の七兵衛という飴売りが長い袋に入れ、「千歳飴」または「寿命飴」と書いて売り歩いたのが始まりとされています。神田明神は、千歳飴が同社の社頭で売られていた「祝い飴」からきているとも言われると紹介しています。
供えるなら朝に上げて夕方に下げる
千歳飴を供える場合は、ほかのお供えと同じように朝に上げて夕方ごろに下げる流れが無理のない目安です。
東京都神社庁は、毎月1日や15日、家庭のお祝い事のときには、米・塩・水に加えて酒や魚などを供えて丁重にお祭りするとしています。七五三はまさに家庭のお祝い事にあたり、千歳飴を供えるのも、この考え方に沿った供え方の一つです。
神具店の伊勢宮忠は、お供え物は朝に供えて夕方ごろに下げ、お下がりとして家族でいただくと案内しています。千歳飴は袋が長く棚板に収まりにくいため、神棚の真下の台や、お札を置いた棚の手前に置く形でもよいでしょう。
下げたら家族でいただく
神棚から下げた千歳飴は、お下がりとして家族でいただきます。
神田明神は、ご祈祷でいただいた神供は持ち帰って召し上がるよう案内しています。神社本庁は、神前に供えた食べ物やお酒をいただくことを「直会(なおらい)」と呼び、神さまのお恵みを受けられると考えられてきたと説明しています。
千歳飴は長く硬いので、小さな子どもには折ったり砕いたりして少しずつ分けると食べやすくなります。食べきれない分は袋の口を閉じて湿気を避けて保存し、家族で少しずつ分け合うのがおすすめです。
七五三のお参りにあわせて榊も新しくする?

七五三のお札を神棚に迎える日は、両側の榊も新しくしておくと、神棚全体をお祝いの日らしく迎えられます。
11月15日は榊を替える日と重なる
榊は毎月1日と15日に取り替えるのが一般的で、11月15日の七五三は榊を替える日と重なります。
伊勢宮忠は、榊は毎月1日と15日に取り替えるのが一般的としています。2026年の11月15日は日曜日にあたり、神社本庁が「11月15日前後の休日」と紹介する七五三のお参りの日と、榊を替える日をそろえやすい年です。
北海道神社庁は、榊立てには常緑樹を用い、常に生き生きとみずみずしくしておくとしています。お参りの朝に榊立ての水を替え、葉の張りが落ちていれば新しい榊に替えておくと、お札を迎える準備が一度に済みます。
榊立ての大きさと枝の長さの合わせ方は神棚の榊立ての選び方の記事、月に必要な本数は榊の本数の記事で紹介しています。
富士山麓の畑で育てた純国産榊
私たち榊農家は、富士山の麓の畑で榊を育て、収穫後は専用の冷蔵庫で鮮度を管理してからお届けしています。
発送の際は、鮮度保持袋に入れて郵便ポストにお届けしています。お札を迎える日に神棚の両側が新しい榊にそろっていると、家族で手を合わせるときの気持ちも改まると、生産者として感じています。
神棚の榊を替える日を忘れがちな家庭には、月2回コースの定期便で、毎月1日と15日までにお届けする方法もあります。
七五三 お札に関するよくある質問
Q. 七五三のお札は燃えるごみに出してもよいですか?
A. 受けた神社にお返しするのが基本です。お焚き上げで受け付けるものは神社ごとに違うため、迷ったときは受けた神社にたずねると安心です。
Q. 七五三のお守りはどうすればよいですか?
A. 神田明神は、お守りは財布に入れるなどして身に着けて持つよう案内しています。役目を終えたら、お札と一緒に受けた神社へお返しします。
Q. 兄弟姉妹で別々にお札を受けたら、並べてもよいですか?
A. 並べてお祀りしてかまいません。宮形に入らない場合は、宮形の横に丁寧に並べる形が神社本庁で案内されています。
Q. 神棚がない家でも千歳飴を供えたほうがよいですか?
A. 決まりはありません。お札を置いた棚の手前に供えてから家族でいただく方法も、そのまま家族でいただく方法もあります。
まとめ|七五三のお札は神棚で家族と一緒にお祀りする

七五三のご祈祷でいただいたお札は、次の流れで扱うと迷いにくくなります。
- 神棚がある家は宮形の中に、入らなければ宮形の横に並べる
- 神棚がない家は、目線より高い棚の上をきれいにして、南か東向きに立てる
- 祀る期間は1年が目安。神社によっては願いが叶ったときにお返しする
- 役目を終えたお札は受けた神社へ。遠方なら郵送や近くの神社に相談する
- 千歳飴は神棚に供えてから、お下がりとして家族でいただく形もある
作法は地域や神社によって異なるため、迷ったときはお札を受けた神社にたずねると、その神社の考え方がわかります。七五三のお札を迎える日に、神棚の榊も新しくして家族で手を合わせてみませんか?
「高嶺の榊」では、富士山の麓の自社畑で育てた純国産榊を、25cm・30cm・36cmの3つの長さでお届けしています。1回のお届けは2束1対で、全品送料無料です。
参考・出典
- 神社本庁「七五三」 https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/shichigosan/
- 神社本庁「お神札のまつり方」 https://www.jinjahoncho.or.jp/omatsuri/ofuda/
- 神社本庁「神棚」 https://www.jinjahoncho.or.jp/omatsuri/kamidana/
- 神社本庁「よくあるご質問(FAQ)」 https://www.jinjahoncho.or.jp/faq/
- 神社本庁「直会」 https://www.jinjahoncho.or.jp/omatsuri/naorai/
- 東京都神社庁「お神札・神棚について」 http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/ofuda_kamidana/
- 東京都神社庁「家庭祭祀(2)」 http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/qa/kateisaishi/02/
- 北海道神社庁「Q04 神棚をまつるにはどのようなものが必要ですか?」 https://hokkaidojinjacho.jp/ritual-dwelling/qa-04/
- 伊勢神宮「お神札(神宮大麻)の祀り方」 https://www.isejingu.or.jp/about/jingutaima/ofuda_howto.html
- 明治神宮「神道一般|Q&A」 https://www.meijijingu.or.jp/faq/?ca=3
- 神田明神「よくある質問」 https://www.kandamyoujin.or.jp/faq/
- 神田明神「年中行事」 https://www.kandamyoujin.or.jp/event/detail/?id=16
- 水天宮「ご祈祷(御初穂料)・撤下品」 https://www.suitengu.or.jp/hatsuho
- 水天宮「ご祈祷の手順・お参りの作法」 https://www.suitengu.or.jp/kigan
- 日枝神社「よくある質問」 https://753.hiejinja.net/faq.html
- 伊勢宮忠「【伊勢宮忠】神棚の祀り方(飾り方)選び方」 https://www.ise-miyachu.co.jp/hajimete.html


