神棚の雲とは?雲板の意味と「雲」の貼り方・位置を榊農家が解説

神棚

神棚の雲板は、棚板の前に付く波形の板で、そこが天上であることを表すものです。板がない場合は「雲」や「天」と書いた紙を宮形の真上に貼る形が、各地の神社庁で案内されています。

上の階を人が歩く部屋に神棚を設けるとき、「このままでよいのだろうか」と気になる方は少なくありません。

私たち「高嶺の榊」は、富士山の麓で神棚に供える榊を育てている榊農家です。神棚まわりのご相談をいただくことも多く、雲の意味と貼り方を、神社庁や神社の案内をもとにまとめました。

私たちについて
私たちについて

日本の神様には日本の榊を。富士山の麓で大切に育てた榊を榊農家が直送でお届けします。

神棚の雲板とはどんなもの?

まず、板としての「雲板」から整理します。

棚板セットに付く波形の板

雲板は、神棚の棚板に付いている波のような形の板のことです。

東京の神具店・みす平總卸店は、雲板を、ここが一番清らかな場所であり天界であると表現するパーツだと説明しています。

棚板と宮形をそろえて用意すると、多くの場合この板が前面に付いてきます。波形の彫りが入ったものや、まっすぐな形のものがあります。

神具のなかでは目立たない部分ですが、神棚を正面から見たときに一番上に来るのがこの板です。

板がない場合は文字を貼る

雲板がない神棚では、「天」「上」「雲」などの文字を紙に書いて、宮形の真上の天井に貼る方法が案内されています。

みす平總卸店は、雲板がない場合には取り付けるか、半紙などに文字を書いてお宮の真上の天井に貼るとしています。

壁掛けの神棚やお神札立てには雲板が付かないことが多く、その場合は紙の字で代えるという考え方です。

北海道神社庁は、壁に釘がきかない場合は本棚などの家具の上に簡単な台を置いてもよいとしています。棚板を使わずに家具の上へ置く形でも、雲板は付きません。

板と字のどちらかで足りる

雲板と「雲」の字は、どちらも同じ意味合いを表すものとして案内されています。

みす平總卸店の説明では、雲板を取り付けるか、文字を書いて貼るかのどちらかが挙げられています。両方そろえなければならないという決まりは、公的な案内には見当たりません。

どちらを選ぶかは、天井に紙を貼れるかどうかでも変わります。賃貸住宅で天井や壁を傷つけたくない場合の祀り方は、賃貸の神棚の記事でまとめています。

神棚の上に「雲」を貼るのはなぜ?

次に、紙に書いて貼る「雲」の由来です。

階上を歩くことへの慎みを表す

二階建ての一階に神棚を設けると、階上の人が神棚の上を踏むことになるため、その慎みを表して貼るとされています。

東京都神社庁は、それが畏れ多いことから「天」「雲」と書いた紙を貼り、神棚より上は天上であり雲上であって他には何もありません、と許しをいただこうという心情を表したものだと説明しています。

愛知県名古屋市の城山八幡宮も、上に二階部分や他の住居がある場合に、慎み・憚りの気持ちから貼る慣習だとしています。

天井と空を結ぶおまじない

富山県神社庁は、「雲」の字を、神棚の真上の天井と空(天)とを直接結ぶおまじないの一種だとしています。

同じ案内では、神棚の上が二階の部屋や廊下にかかる場合は神職の指導を仰ぐ事項とし、避けられない場合に「雲」もしくは「天」と墨書した紙を貼るとしています。

東京都青梅市の武蔵御嶽神社は、二階以上の建物では上階の押入れの下など、なるべく人が踏まない場所を選び、適当な場所がないときに天井へ「雲」と書いた雲形の紙を貼る方法を挙げています。

必ず貼る決まりはない

城山八幡宮は、雲を必ず貼らなければならない決まりはないと説明しています。

あくまで慣習として広まったもので、貼っていないから失礼にあたるという案内は見当たりません。

北海道神社庁も、どうしても上の階が気になる場合に、神棚の宮形の上に「雲」「天」「空」などと墨書して貼ることもある、という書き方をしています。気になるかどうかが出発点だという整理です。

東京都神社庁の説明も、神棚より上は天上であり雲上であって他には何もありません、と許しをいただこうという心情を表したものだとしています。形式よりも気持ちの部分を説明した言葉です。

「雲」の字はどこに貼る?

貼る位置と向きには、いくつかの考え方があります。

宮形の真上の天井に貼る

もっとも多く案内されているのは、宮形の真上の天井に貼る位置です。

みす平總卸店は、お宮の真上の天井に貼るとしています。北海道神社庁も、神棚の宮形の上に貼ることもあると説明しています。

天井に直接貼れない場合は、壁の上部に貼る形も見られます。いずれも、神棚より上には何もないことを表す位置です。

扉の真上より外側という考え方

富山県神社庁は、貼る場所をお神札の前上ではなく、扉より外側の上がよいとしています。

お札の真正面の上ではなく、少し手前にずらすという考え方です。神社によって案内が分かれるところなので、氏神様の神社に確認すると迷いません。

字の上が壁側に来るように

富山県神社庁は、お札の場所から見上げて「雲」と読めるよう、字の上が神棚側(壁側)に来るように貼るとしています。

逆さ字にならないように、という説明です。天井に貼る場合、どちらを頭にするかで見え方が変わります。

城山八幡宮は、雲の字の雨冠が壁に近くなるように貼る場合が多いとしています。表現は違いますが、神棚側から見て正しく読める向き、という点では同じ向きになります。

マンションや平屋でも雲は貼る?

住まいの形によって、考え方が変わります。

集合住宅は一戸を独立した家屋と考える

北海道神社庁は、アパートやマンションの場合は、一戸が独立した家屋と考えると説明しています。

上の階に別の住戸がある集合住宅でも、自分の住まいを一軒として捉える考え方です。そのうえで、どうしても上の階が気になる場合に「雲」などと墨書して貼ることもある、と続けています。

気になるかどうかで決められる、という整理になります。

分譲でも賃貸でも、この考え方は変わりません。上の階に別の世帯が住んでいることが気にかかるかどうかで判断する、という案内です。

上の階が水回りにかかる場所は避ける

北海道神社庁は、階段の下や部屋の出入り口、上の二階が台所・浴室・手洗い・廊下になる所は避けるとしています。

雲を貼る前に、そもそも置き場所を選び直せないかを見ておくと、悩みが減ります。武蔵御嶽神社も、上階の押入れの下など人が踏まない場所を選ぶ方法を先に挙げています。

武蔵御嶽神社は、適当な場所がないときに天井裏へ一枚板を張る方法も挙げています。紙を貼るほかにも対処の例が示されている、ということです。

富山県神社庁は、神棚の上が二階の部屋や廊下にかかる場合は神職の指導を仰ぐ事項だとしています。判断に迷うときは、氏神様の神社に相談できます。

平屋や最上階では上に人がいない

上に人が上がらない平屋や最上階では、そもそも踏まれるという状況が起こりません。

各神社庁の案内は、いずれも上の階に人がいる場合を前提に書かれています。屋根が直接上にある住まいでは、必要かどうかを氏神様の神社に確認するのが確実です。

北海道神社庁は、北向きや西向きだからといって縁起が悪いということはない、とも答えています。方角と同じく、雲も住まいの条件から考えられる部分です。

雲の紙はどう用意する?

書き方や入手方法にも選択肢があります。

半紙や奉書紙に自分で書く

城山八幡宮は、自分で奉書・半紙に書いてもよいとしています。

同じ神社は「雲」の字を書いたものを配布しており、持参すれば神社印を押捺するとも案内しています。

武蔵御嶽神社は、雲形に切った紙に書く方法を挙げています。四角い紙でも雲の形でも、案内としてはどちらも見られます。

墨書が基本とされる

神社庁の案内では、墨で書く「墨書」という言葉が使われています。

富山県神社庁も北海道神社庁も、「墨書した紙を貼る」という表現をしています。筆で書くのが基本という考え方です。

印刷したものやシール状のものも市販されていますが、公的な案内で推奨されているのは墨書の形です。気になる場合は氏神様の神社に相談すると、判断がつきます。

神社で相談できる

用意の仕方に迷ったときは、お札を受けている氏神様の神社に相談できます。

城山八幡宮のように、紙を用意している神社もあります。富山県神社庁は、上階にかかる場合は神職の指導を仰ぐ事項だとしています。

貼る位置、向き、必要かどうかを一度に聞けるので、自己判断で悩むより早く片づきます。

愛知県神社庁は住所から氏神様を探せる検索を用意していますが、表示された神社と氏子区域に差があることもあるため、直接確認するよう添えています。静岡県神社庁も、県内の近くの神社を調べられるページを設けています。

雲を貼ったあと、神棚のお世話はどうする?

置き場所が整ったら、日々のお世話が中心になります。

榊は左右一対で供える

神社本庁は、神棚の両側に榊を供え、毎日水を取り替えてみずみずしさを保つよう案内しています。

榊は常に緑を保つ常緑樹で、古くから御神前へのお供えに使われてきました。榊立ては左右に1つずつ置きます。

榊立ての選び方は、榊立ての記事で紹介しています。

水は毎日取り替える

水を入れる器の水も、毎日取り替えるのが基本とされています。

榊立ての水をこまめに替えると、茎の傷みや水の濁りが出にくくなります。私たち榊農家の畑でも、収穫後は水の管理で日持ちが大きく変わります。

高嶺の榊では、収穫した榊を専用の冷蔵庫で保管し、鮮度保持袋に入れてお届けしています。届いてからの持ちは、切り口と水の管理で変わります。

器の選び方と置き方は、神棚の水入れの記事でまとめています。

交換は1日・15日に合わせても

群馬県前橋市の産泰神社は、榊の交換を毎月1日・15日の月次祭にあわせても問題ないとしています。

毎日の交換が理想としたうえでの案内です。続けやすい形を選べます。

高嶺の榊では、月1回と月2回のどちらかを選べる定期便でお届けしています。長さは25cm・30cm・36cmの3種類で、神棚の大きさに合わせて選べます。

よくある質問

Q. 雲板と「雲」の字は両方必要ですか?

A. みす平總卸店は、雲板がない場合に取り付けるか文字を貼るか、という形で案内しています。両方そろえる決まりは、公的な案内には見当たりません。

Q. マンションの一階でも雲は貼りますか?

A. 北海道神社庁は、アパートやマンションでは一戸が独立した家屋と考えるとしています。そのうえで、上の階が気になる場合に貼ることもある、という案内です。

Q. 「雲」と「天」はどちらがよいですか?

A. 東京都神社庁は「天」「雲」、北海道神社庁は「雲」「天」「空」を挙げています。どれでなければならない、という案内は見当たりません。

Q. 字の向きはどちらが上ですか?

A. 富山県神社庁は、字の上が神棚側(壁側)に来るように貼るとしています。城山八幡宮は、雨冠が壁に近くなるように貼る場合が多いとしています。

Q. 雲を貼れば上の階に何があっても大丈夫ですか?

A. 北海道神社庁は、上の二階が台所・浴室・手洗い・廊下になる所は避けるとしています。貼る前に置き場所を見直せないかを確かめる形が、各神社庁の案内に共通しています。

まとめ

神棚の雲について、公的な案内で確かめられる点をまとめます。

  • 雲板は棚板に付く波形の板で、そこが天上であることを表す
  • 板がない場合は「雲」「天」などの字を紙に書き、宮形の真上に貼る
  • 由来は、階上を人が歩くことへの慎みの気持ち
  • 必ず貼らなければならない決まりはなく、慣習として広まったもの
  • 字の上が神棚側(壁側)に来るように貼る
  • 迷うときは氏神様の神社に相談できる

置き場所が決まったら、あとは毎日のお世話が神棚を支えます。

「高嶺の榊」では、富士山の麓の自社畑で育てた国産榊を、25cm・30cm・36cmの3つの長さでお届けしています。1回のお届けは2束1対なので、左右に1束ずつ挿せます。全品送料無料で郵便ポストに配達されるため、留守がちでも受け取れます。

参考・出典

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