神棚をやめたいときは?続け方を軽くする方法と手放す手順を榊農家が解説

神棚をやめたいと感じたら、まずはお札だけを祀る形に小さくしたり、お供えの回数を決めて減らしたりして、続け方を軽くできないかを考えてみるのがおすすめです。それでも難しい場合は、お札を受けた神社に納めてから神棚を片付けるのが一般的な流れです。

毎日のお供え、榊の水替え、引っ越しや実家の片付け。神棚をやめたくなる理由は家庭ごとに違い、どれも無理のない悩みです。

私たち「高嶺の榊」は、富士山の麓で神棚に供える榊を育て、お届けしている榊農家です。続ける場合も手放す場合も判断しやすいよう、神社本庁や各地の神社の案内をもとに、選択肢と手順をまとめました。

私たちについて
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日本の神様には日本の榊を。富士山の麓で大切に育てた榊を榊農家が直送でお届けします。

神棚がない家はどのくらいある?

「神棚をやめるのは、うちだけだろうか」と気になっていませんか?まずは全国の調査から、神棚のある家の現状を見てみます。

2019年の調査で6割以上が「神棚はない」と回答

庭野平和財団が2019年に行った全国調査では、回答者の62.3%が「家に神棚はない」と答えています。

この調査は、全国の満20歳以上の男女4,000人を対象に個別面接で行われ、1,203人が回答しました。家に神棚があり、毎日拝んでいると答えた人は11.2%でした。

神棚がないことは、今の日本では少数派ではありません。神棚をやめるかどうかは、周りと比べるより、ご自身の暮らしに合うかどうかで考えてよいテーマといえます。

20年で49%から35.6%に減った神棚のある家

同じ調査の4回分を比べると、神棚のある家の割合は1999年の49%から、2019年の35.6%まで下がっています。

途中の2004年は44%、2009年は43.1%で、20年間で13.4ポイント減りました。「毎日拝む」と「時々拝む」を合わせた人も、31.6%から21%に減っています。

住まいの形や家族の人数が変わるなかで、神棚との付き合い方も少しずつ変わってきていることがうかがえます。

都市部ほど低い保有率

2019年の調査では、神棚のある家は東京23区で20.8%、郡・町村で48.3%と、地域によって大きな差があります。

郡・町村でも、1999年の74.3%から26ポイント下がっています。地方の実家には神棚があっても、都市部の自宅にはないという家族は珍しくありません。

実家の神棚を引き継ぐかどうかで迷う場面が生まれやすいのも、この差が一因と考えられます。

神棚は必要か、神社はどう案内している?

「神棚がないと、お札を受けてはいけないのでは」と感じている方もいるかもしれません。神社の案内を見ると、形よりも祀る気持ちが大切にされています。

神棚がなければお札だけ祀ってもよいとする神社本庁

神社本庁は、特別に神棚を設けられない場合は、まずはお神札をお祀りするだけでもよいと案内しています。

同じページでは、宮形(お札を納める社の形の神棚)の有無などにとらわれすぎてお祀りしないより、出来る形でお祀りすることが大切だとしています。

よく見落とされがちですが、神棚をやめることと、お札を祀るのをやめることは、分けて考えられます。神棚という大きな棚を手放しても、お札を小さく祀り続ける選択肢があります。

タンスや書棚の上でも祀れるお札

神棚がない場合は、タンスや書棚の上などをきれいにして、目線より高い場所にお札を祀る方法が案内されています。

東京都神社庁は、タンスやロッカーの上などをきれいにして祀れば問題はないと答えています。伊勢神宮も、神棚のない場合は書棚の上など、明るく清らかで目線より上に祀るとしています。

向きは南か東が一般的ですが、伊勢神宮は、間取りによってはふさわしい場所であれば向きはかまわないとしています。蛇窪神社のQ&Aには、白い紙を敷いてその上にお札を祀っても大丈夫だとあります。

お供えはできる範囲でよいとする神社も

毎日のお供えについては、できる範囲でよいとする神社がある一方、毎日欠かさず行うよう案内する神社庁もあります。

東京都神社庁は、お供物はできる範囲でお供えすれば結構だとしています。蛇窪神社も、毎日お供えするのが望ましいものの、できる範囲でかまわないと答えています。

一方で、愛知県神社庁は、家庭のまつりは毎日欠かさず行うと説明しています。考え方には幅があるため、気になる方はお札を受けた神社にたずねてみると、その土地に合った答えが得られます。

やめる前に神棚を簡易にする方法は?

やめるか続けるかの二択で考えると、どちらも決めにくいものです。その間には、神棚を小さく、手間を少なくする道があります。

お札立てや壁掛けの簡易神棚への切り替え

大きな宮形の神棚を、お札立てや壁掛けの簡易神棚に替えると、置き場所と掃除の手間を減らせます。

神社本庁は神棚の種類として、昔ながらの宮形のほかに、シンプルなデザインのモダン神棚と、卓上で気軽に祀れるお神札立てを紹介しています。

愛知県神社庁によると、モダン神棚には卓上に置けるものと、壁にかけられるものがあります。東京都神社庁も、一人暮らしに向いた場所をとらない壁掛け式の簡易神棚があると案内しています。

お供えは米・塩・水の3品に絞り、替える日を決める

お供えは米・塩・水の3品を基本にし、すべてを毎日替えるのが難しければ、水だけ毎日替えて、ほかは日を決めて新しくする方法があります。

北海道神社庁によると、神棚には通常、米・塩・水の最少三品をお供えします。お神酒や季節の品は、節目の日に加える形でも整います。

石川県の大野湊神社は、すべての品を毎日取り替えるのが難しければ水だけ交換し、1日または15日、毎週月曜日、10日ごとなど、一定の日を決めて新しくする方法を紹介しています。1日と15日の意味は、榊を毎月1日と15日に替える理由の記事で詳しく紹介しています。

榊は造花にするか、届けてもらうか

榊の水替えや買い出しが負担なら、造花やプリザーブドの榊に替えるか、生の榊を定期的に届けてもらう方法があります。

神具店の伊勢宮忠は、神棚に榊を供えるときは造花やプリザーブドでも問題はないとしています。一方、神社本庁は生の榊を前提に、毎日水を取り替えてみずみずしさを保つよう案内しています。造花の選び方は榊の造花の記事プリザーブドの記事で紹介しています。

生の榊を続けたいけれど、お店に買いに行く時間がとれない場合は、定期便を使うと交換日に合わせて榊が届きます。榊を育てる立場から見ると、生の榊を続けるかどうかは、神棚を続けるかどうかとは分けて考えられる部分です。

やめると決めたらお札の返納はどうする?

考えた末にやめると決めた場合も、手順を知っておけば、気持ちよく区切りをつけられます。

お札は受けた神社への返納が基本

お札は、受けた神社に納める(返納する)のが基本です。

神社本庁は、お神札は1年ごとに新しく受けるのがよいとし、前の年のお神札は受けた神社に納めるのがよいとしています。

受けた神社に行けない場合は、近くの神社に相談するか、気持ちを添えて受けた神社に送るのもひとつの方法とされています。送る前に、受け付けているかどうかを神社に確かめておくと手間がかかりません。

神棚を外すことを社務所に申し出る

神棚そのものを外すときは、神社の社務所にその旨を伝えてお札を納める方法が案内されています。

北海道神社庁は、転居や都合で神棚を外す場合は、正月に限らず社務所に申し出て、玉串料を添えてお札を納めるよう呼びかけています。

玉串料の金額は神社によって異なるため、申し出るときにあわせてたずねるとスムーズです。

御霊抜きは神社によって考え方が違う

神棚を片付ける前の御霊抜き(魂抜き)が必要かどうかは、神社や神具店によって考え方が分かれています。

奈良県の村屋坐彌冨都比賣神社は、神棚の処分には魂抜きのご祈祷が欠かせないとしています。一方、仏壇・神具店のはせがわは、魂が宿るのは神棚本体ではなくお札のみという考えが一般的だとしたうえで、設置時に魂入れをした場合は魂抜きも必要だと説明しています。

設置のときに神職に来てもらったかどうかで判断が変わるため、分からない場合はお札を納める神社に相談すると確実です。

神棚本体と神具の片付け

お札を納めたあとの神棚本体や神具は、神社でのお焚き上げか、自治体の分別ルールに沿った処分から選びます。

木の神棚は、神社によってはお焚き上げを受け付けています。陶器の神具は燃えないため、神具店の伊勢宮忠は、塩で清めてから不燃物として出す方法を示しています。

費用の目安や業者の選び方を含めた詳しい手順は、神棚の処分の記事で紹介しています。

引っ越しや実家の神棚をやめたいときは?

住まいが変わるときは、神棚の扱いを見直すきっかけにもなります。

引っ越し先では新しい氏神様のお札

引っ越した場合は、新しい土地の氏神様からお札を受けて祀るよう、神社本庁が案内しています。

前の氏神様のお札は、その年が終わるまで一緒に祀り、新しい氏神様の神社でお焚き上げしてもらう流れです。

引っ越しを機に、大きな神棚を持っていかず、お札立てや壁掛けの神棚に替える方法もあります。前の神棚を手放す場合の手順は、先ほどの返納の流れと同じです。

実家の神棚は家族で話し合ってから

実家の神棚をやめるかどうかは、先に家族で気持ちをすり合わせてから決めると、あとで行き違いが起きにくくなります。

神棚には、親や祖父母が長く手を合わせてきた思い出が重なっていることがあります。片付ける人の負担だけで決めず、誰がお札を受け継ぐか、どこで祀るかを話し合っておくと安心です。

家族の誰も引き継がない場合も、お札を神社に納めてから神棚を片付けるという順番は変わりません。

続ける・軽くする・やめるの選び方は?

ここまでの内容を、負担の中身ごとに整理します。

負担の中身で選ぶ3つの道

何が負担になっているかによって、選ぶ道が変わります。

いちばんの負担考えられる選択肢
神棚の置き場所・掃除お札立てや壁掛けの簡易神棚に替える
毎日のお供え米・塩・水に絞り、水以外は替える日を決める
榊の買い出し・水替え造花にする、または生の榊を定期便で届けてもらう
祀る気持ちそのものが続かないお札を神社に納め、神棚を片付ける

置き場所や手間が理由なら、神棚を小さくするだけで続けられることがあります。一方で、祀る気持ちそのものが続かないなら、無理に形だけ残すより、感謝を伝えて区切りをつけるほうが、気持ちの整理がつきやすいと感じる方もいます。

迷うときは氏神様の神社への相談

どの道を選ぶか迷うときは、お札を受けた神社や、住んでいる土地の氏神様の神社に相談する方法があります。

神社によって考え方に幅があるため、地域の慣習に沿った答えを聞けるのは地元の神社ならではです。

お札の返納やお焚き上げの受け付け時期も神社ごとに異なるので、相談のついでに確かめておくと、あとの段取りが楽になります。

よくある質問

Q. 神棚をやめたらバチが当たりますか?

A. 神社本庁は、形にとらわれすぎてお祀りしないより、出来る形でお祀りすることが大切だとしています。やめる場合も、お札を神社に納めて感謝を伝えることで、気持ちの区切りをつけられます。

Q. お札だけを祀るときは、どこに置けばいいですか?

A. 神社本庁によると、明るく清らかで目線より高い場所がよいとされています。神棚がなければタンスや書棚の上をきれいにして祀る方法があり、向きは南か東が一般的です。

Q. 古いお札を郵送で返してもいいですか?

A. 神社本庁は、受けた神社に行けない場合は、気持ちを添えて受けた神社に送るのもひとつだとしています。送る前に、郵送を受け付けているかを神社に確かめておくと確実です。

Q. 神棚をやめても、榊を飾っていいですか?

A. 神棚がなくても、玄関やリビングに榊を飾る家庭はあります。飾り方の例は榊を神棚以外で飾る方法の記事で紹介しています。

まとめ

神棚をやめたいと感じたときは、次の順で考えると判断しやすくなります。

  • 神棚がない家は今や6割以上。やめることは珍しい選択ではない
  • 神社本庁は、神棚がなければお札だけ祀ってもよいと案内している
  • やめる前に、お札立てへの切り替えや、お供え・榊の手間を減らす方法がある
  • やめると決めたら、お札を受けた神社に納めてから神棚を片付ける

続けるにしても手放すにしても、ご家庭で無理のない形を選ぶことが、いちばん長く心地よい付き合い方につながります。

「高嶺の榊」では、富士山の麓の自社畑で育てた国産榊を、毎月決まった時期にお届けする定期便を行っています。月2回コースは毎月1日と15日のお供えに合わせて届き、全品送料無料で郵便ポストに配達されるので、買い出しの手間を減らしたい方の選択肢のひとつになります。

参考・出典

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