会社の神棚はどう祀る?事務所・店舗での置き場所とお世話を榊農家が解説

会社の神棚は、家庭の神棚と同じ考え方で祀れます。神社本庁は、会社の事務所などに神棚を設ける場合も、家庭の場合と同様の考え方でよいとしています。

担当者が替わったときに「そもそも何のために祀っているのか」「誰が世話をするのか」が分からなくなる、というご相談をいただくことがあります。

私たち「高嶺の榊」は、富士山の麓で神棚に供える榊を育てている榊農家です。事務所や店舗にお届けすることも多く、会社で神棚を続けるための考え方を、神社庁や神社の案内をもとにまとめました。

私たちについて
私たちについて

日本の神様には日本の榊を。富士山の麓で大切に育てた榊を榊農家が直送でお届けします。

会社に神棚を祀るのはなぜ?

まず、祀る意味のところから整理します。

会社の繁栄と安全を祈る精神的中心

北海道神社庁は、神棚を家庭や会社の繁栄と安全を祈る精神的中心だとしています。

働く人の安全と、事業が続いていくことを願う場所、という位置づけです。

同じ神社庁は、神棚にはその家や会社、工場などを護ってくださる神札をおまつりしているので、毎朝心をこめて一日の平安を祈る、とも説明しています。

大野湊神社は、お参りの時間帯の例として作業開始前も挙げています。工場や作業場で、始業前に手を合わせる形にあたります。

家庭の神棚と同じ考え方でよい

神社本庁は、会社の事務所などに神棚を設ける場合も、家庭の場合と同様の考え方でよいとしています。

会社だから特別な作法がある、という案内ではありません。置き場所もお供えも、家庭の神棚の考え方をそのまま当てはめられます。

石川県金沢市の大野湊神社も、会社や工場の場合も同様に、落ち着いてお参りできる場所を選ぶとしています。事務所の規模や間取りに合わせて、宮形の大きさや置き方を選べるということです。

節目に揃ってお参りする場になる

北海道神社庁は、毎月一日・十五日や家族・会社の記念日、正月などの節目には揃っておまいりするとしています。

朝礼の前や仕事始めなど、人が集まるタイミングと重なります。

神棚があることで、節目に手を合わせる習慣が形として残ります。担当者が替わっても引き継ぎやすいのは、この「いつ」が決まっているときです。

神社本庁は、多くの神社では大晦日から1月15日までに左義長・どんど焼が行われ、正月飾りや古いお神札がお焚き上げされるとしています。年の節目にお札を新しくする形も、会社の行事として組み込めます。

会社の神棚はどこに置く?

置き場所の考え方も、家庭と同じです。

目線より高く、南か東を向く場所

神社本庁は、神棚を清らかで明るく目線より高いところに設け、お札の正面が南か東に向くのが一般的だと案内しています。

事務所では、執務スペースの壁面上部や、応接室の一角が候補になります。

北海道神社庁は、北向きや西向きだからといって縁起が悪いということはないとしています。建物の向きが決まっている物件でも、置ける場所から考えられます。

東京都神社庁は、棚を設けられない場合にタンスや本棚の上をきれいにして宮形を置くのもよいとしています。事務所では、書棚やキャビネットの上が候補になります。

出入り口の真上や人が通る下は避ける

大野湊神社は、出入口の真上は人の出入りが多く、落ち着く場所とはいえないとしています。

来客の多い事務所や店舗では、扉の上は避けたほうが落ち着きます。

富山県神社庁も、廊下や部屋の出入り口で、神棚の下を頻繁に人が通る場所を避けるよう挙げています。北海道神社庁は、階段の下や、上の階が台所・浴室・手洗い・廊下になる所も避けるとしています。

店舗では手が届く動線を確保する

毎日の水替えやお供えのために、手が届く場所であることも要件になります。

高すぎる位置や、什器の奥になる位置では、世話が途切れやすくなります。北海道神社庁は、壁に釘がきかない場合は本棚などの家具の上に簡単な台を置いてもよいとしています。

産泰神社は、賃貸マンションでは金具を壁に取り付けるなどが禁止されている場合もあるため、必ず事前に確認するよう呼びかけています。テナントに入っている事務所や店舗でも、取り付けの可否は先に確かめておくと安心です。壁に穴をあけない置き方は、賃貸の神棚の記事[未公開:009]でまとめています。

事務所・店舗の神棚には何が必要?

そろえるものは、置ける範囲からで構いません。

お札と宮形、神具

神社本庁は、神棚の種類として三社・一社の宮形、モダン神棚、お神札立てを紹介しています。

伊勢神宮によると、神宮大麻は縦24.5cm×横6.8cmです。宮形を選ぶときは、このお札が納まる内側の寸法から確かめます。

東京の神具店・みす平總卸店は、三社宮なら棚板は2尺5寸(約75cm)以上が目安だとしています。福島県福島市の福島稲荷神社は、棚の奥行きは宮形に10cmほど足した余裕をみるとよいとしています。

神社本庁は、お札の数が増えて宮形に納められないときや、入らない大きさのお札は、宮形の横に丁寧に並べておまつりするとしています。会社では複数の神社のお札を受けることもあるので、横に並べる余白もみておきます。

宮形の選び方は、簡易神棚・モダン神棚の記事でまとめています。

神具は置ける範囲でそろえる

群馬県前橋市の産泰神社は、神具は装飾品なので、スペースがない場合は無理して用意しなくてよいとしています。

同じ神社は、すべて揃えるのが理想としつつ、「お神札と神饌だけ」「お神札と神饌と榊だけ」でも問題ないと説明しています。

神社本庁も、宮形の有無などにとらわれすぎてお祀りしないより、出来る形でお祀りすることが大切だとしています。器の選び方は、神棚の水入れの記事で紹介しています。

灯明は電気式という選択がある

東京都神社庁は、常に神前を明るくするために「神灯」も一対用意するとし、最近では電灯式のものが多く見られるとしています。

福島稲荷神社は、防火の観点からロウソクは使わずに電気式のお灯明がよいとしています。

人のいない時間がある事務所や店舗では、火を使わない形が現実的です。灯明については、神棚のろうそく・灯籠の記事でまとめています。

会社の神棚は誰がお世話する?

続けるためには、担当と頻度を決めておくのが近道です。

お参りの時間帯は職場で決めてよい

大野湊神社は、おまつりの仕方は各家庭・職場で決めてよいとしています。

同じ神社は、お参りの時間帯の例として、朝食の前、就寝の前、出社時、帰宅時、作業開始前などを挙げています。

会社であれば、始業前や作業開始前が当てはまります。時間を決めておくと、担当者が替わっても同じ形で続きます。

水と榊は毎日が基本

神社本庁は、神棚の両側に榊をお供えし、毎日水を取り替えてみずみずしさを保つよう案内しています。

榊は常に緑を保つ常緑樹で、古くから御神前へのお供えに使われてきました。榊立ては左右に1つずつ置きます。

私たち榊農家の畑でも、収穫した榊は専用の冷蔵庫で保管し、鮮度保持袋に入れて出荷しています。届いてからの持ちは、切り口と水の管理で変わります。

榊立ての選び方は、榊立ての記事[未公開:001]で紹介しています。

交換は1日・15日に合わせる形でも

産泰神社は、榊の交換を毎月1日・15日の月次祭にあわせても問題ないとしています。

毎日の交換が理想としたうえでの案内です。北海道神社庁も、毎月一日・十五日を節目として挙げています。

月の初めと半ばに決めておくと、当番制でも引き継ぎやすくなります。高嶺の榊では、月1回と月2回のどちらかを選べる定期便でお届けしています。長さは25cm・30cm・36cmの3種類で、宮形の大きさに合わせて選べます。

事務所開きや神棚奉斎は必要?

祀り始めには、神職に祭事を頼む形もあります。

新設時に神職へ相談できる

神社本庁は、神棚の設置にあたっては氏神神社等の神職に相談し、お祓いをしてもらうのもよいとしています。

置き場所や向き、宮形の大きさも、その場で一緒に相談できます。

千葉県君津市の六手八幡神社は、神棚奉斎を、新たに神棚を設置する際や撤去する際に行う祭りだと説明しています。

事務所開きという祭りもある

神社本庁は、事務所新設時には事務所の安全と事業の繁栄を祈念し、開設にあたっての清祓を受けるとよいとしています。

六手八幡神社も、事務所開きを、事務所内を祓い清め、事務所の安全や事業の繁栄を祈願する祭りとして案内しています。

同じ神社は、仕事初めの祈願祭も挙げています。年の初めに社員が揃う場としても使われています。

新しく祀るときの手順

祀り始めの流れは、神棚の魂入れの記事でまとめています。

お札の並べ方や、そろえるものの順序をまとめた内容です。

神社本庁は、事務所新設時に開設にあたっての清祓を受けるとよいとしています。神棚の設置と合わせて依頼すれば、一度で済みます。

日取りや初穂料は神社によって異なるため、氏神様の神社に直接尋ねるのが確実です。

移転・閉店のとき会社の神棚はどうする?

続けられなくなったときの扱いも、あらかじめ知っておくと迷いません。

移転先へ神棚ごと移す

富山県神社庁は、最も良い方法は神棚も引っ越し先に移し、そのまま祀ることだとしています。

同じ案内では、それが叶わない場合はお神札を白い封筒に入れ、神職が常駐する神社に持って行き、理由を話すとしています。

移転の手順は、神棚の引っ越しの記事で詳しくまとめています。

撤去するときは神棚納めのお祓い

富山県神社庁は、神棚をお祭りすることができなくなった場合には、神棚納めのお祓いをするとしています。

祭典終了後は、最寄りの氏神神社に幣帛料を添えて納めると案内されています。

六手八幡神社も、神棚奉斎を撤去の際に行う祭りとして挙げています。

古いお札や神具の納め方

お札は、受けた神社に納めるのが基本です。

神田明神は、お札は受けた神社に返すのが基本としつつ、難しい場合は郵送での返納や近くの神社への返納ができる場合があるとし、返す神社に直接尋ねるよう案内しています。

東京都小平市の小平神明宮は、郵送でも預かってもらえるので、まずは受けたところに問い合わせるよう案内しています。

手放す・軽くするという選択については、神棚をやめたいときの記事でまとめています。

よくある質問

Q. 会社に神棚を祀る決まりはありますか?

A. 神社本庁は、会社の事務所などに神棚を設ける場合も家庭の場合と同様の考え方でよいとしています。特別な決まりを定めた案内は見当たりません。

Q. 店舗のどこに置けばよいですか?

A. 神社本庁は、清らかで明るく目線より高い場所とし、お札の正面が南か東に向くのが一般的だとしています。大野湊神社は、出入口の真上は落ち着く場所とはいえないとしています。

Q. 誰が世話をすればよいですか?

A. 大野湊神社は、おまつりの仕方は各家庭・職場で決めてよいとしています。始業前など時間を決めておくと、担当が替わっても続けやすくなります。

Q. 榊は毎日替えなければいけませんか?

A. 神社本庁は毎日水を取り替えるよう案内しています。産泰神社は、榊の交換を毎月1日・15日にあわせても問題ないとしています。

Q. 事務所を移転するときはどうしますか?

A. 富山県神社庁は、神棚も移転先に移してそのまま祀るのが最も良い方法だとしています。叶わない場合は、お神札を白い封筒に入れて神社に持参する形が案内されています。

まとめ

会社・事務所・店舗の神棚について、確かめられる点をまとめます。

  • 祀り方は家庭の神棚と同じ考え方でよい(神社本庁)
  • 目線より高く、出入り口の真上や人が通る下を避けて置く
  • 神具は置ける範囲でそろえ、榊は左右一対で供える
  • お参りの時間帯は職場で決めてよい。始業前などに固定すると続く
  • 新設・撤去のときは神職に祭事を相談できる
  • 移転時は神棚ごと移すのが最も良い方法とされる

誰が、いつ世話をするかを決めておくことが、会社で神棚を続けるいちばんの支えになります。

「高嶺の榊」では、富士山の麓の自社畑で育てた国産榊を、25cm・30cm・36cmの3つの長さでお届けしています。1回のお届けは2束1対なので、左右に1束ずつ挿せます。月1回と月2回のどちらかを選べるので、1日・15日の交換に合わせることもできます。全品送料無料で郵便ポストに配達されるため、事務所を空ける日があっても受け取れます。

参考・出典

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