神棚の引っ越しはどうする?お札の扱いと移動の手順を榊農家が解説

神棚の引っ越しは、旧居の氏神様にお礼を伝えてお札の扱いを相談し、お札と神棚を別々に包んで運び、新居で神棚を取り付けてからお札を納める流れが一般的です。富山県神社庁は、できれば神棚も引っ越し先へ移し、そのままお祀りするのが最も良い方法だとしています。

荷造りに追われる引っ越しでは、神棚をいつ下ろし、どう運べばよいのか、後回しになりがちです。

私たち「高嶺の榊」は、富士山の麓で神棚に供える榊を育て、お届けしている榊農家です。新しい住まいでも神棚を気持ちよく祀れるよう、神社本庁や各地の神社庁の案内をもとに、神棚の引っ越しの手順をまとめました。

私たちについて
私たちについて

日本の神様には日本の榊を。富士山の麓で大切に育てた榊を榊農家が直送でお届けします。

神棚の引っ越しの前にすることは?

引っ越しが決まったら、荷造りより先に、神棚とお札の扱いを決めておくと慌てずに済みます。

旧居の氏神様にお礼を伝え、お札の扱いを相談

引っ越しが決まったら、まず旧居の氏神様にこれまでのお礼を伝え、お札をどうするかを神社に相談します。

大阪府神社庁は、引っ越すときは氏神様にこれまでお守りいただいたことに感謝し、お札をお返しするよう案内しています。返すときは神社に相談するよう添えています。

氏神様とは、住んでいる土地を守る神様のことです。旧居の近くの神社にお参りし、社務所でお札の扱いをたずねておくと、引っ越し後の段取りがはっきりします。

前の氏神様のお札は、返す案内と年末まで祀る案内がある

旧居の氏神様のお札は、引っ越しのときに返すという案内と、その年の終わりまで新居で一緒に祀るという案内があります。

大阪府神社庁や北海道神社庁は、転居するときにお札を神社に納めるよう案内しています。一方、神社本庁は、前の氏神様のお札もその年が終わるまでは新しい氏神様のお札と一緒に祀り、新しい氏神様の神社でお焚き上げしてもらう方法を紹介しています。

どちらの方法が合うかは、引っ越しの時期や距離によっても変わります。旧居の神社に相談するときに、あわせてたずねておくと迷いません。

神棚ごと移すのが最も良いとする富山県神社庁

富山県神社庁は、神棚も引っ越し先に移し、そのままお祀りするのが最も良い方法だとしています。

一方、大阪府神社庁は、古い神棚は氏神様の神社に預かってもらえるか相談し、引っ越し先では新たな神棚を準備するよう案内しています。

住まいの広さや神棚の大きさによって、今の神棚を運ぶか、新居に合わせて新しくするかを選ぶ形です。新しくする場合の祀り始め方は、神棚の魂入れの記事[未公開:006]で紹介しています。

神棚を持っていけないときはお札を封筒に入れて神社へ

新居に神棚を持っていけない事情がある場合は、お札を白い封筒に入れて、神職のいる神社に事情を話して納める方法があります。

富山県神社庁は、神棚を移せない場合は、中のお札を丁寧に取り出して白い封筒に入れ、神職が常駐している神社に持って行き、理由を話すよう案内しています。残った神棚も一緒に持って行き、処分をお願いしてみるとよいと添えています。

神棚をやめるかどうかで迷っている場合は、神棚をやめたいときの記事[未公開:002]で、続け方を軽くする方法とあわせて紹介しています。

引っ越しで神棚とお札はどう運ぶ?

神棚を運ぶと決めたら、お札と神棚本体は分けて包みます。

お札は白い布か紙で包み、神棚とは別に

神棚から取り出したお札は、清潔な白い布か紙で包み、神棚や神具とは別に運びます。

仏壇・神具店のはせがわは、お札を取り出したら清潔な白い布か紙で包み、神棚や神具を詰める箱には入れず、お札だけで丁寧に保管するよう案内しています。ほかの荷物の下敷きにならないよう気をつけることも添えています。

大阪府神社庁も、清潔な白布や風呂敷に包んで移動するよう案内しています。お札は引っ越し業者の荷物に混ぜず、ご自身で持ち運ぶと安心です。

神棚はタオルで包み、立てたまま箱へ

神棚本体は、清潔なタオルなどで包み、寝かせずに立てた状態で箱に詰めて運びます。

はせがわは、ご自身で運ぶ神棚は衝撃や汚れから守るため清潔なタオルなどで包み、寝かせず立てた状態で段ボールや頑丈な箱に詰めるよう紹介しています。

箱の中で動かないよう、緩衝材や丸めたタオルを入れておくと傷を防げます。陶器の神具も割れやすいので、一つずつ包んでおくと安心です。

榊と水は旧居で下げ、新居で新しく

榊や水、お供え物は、旧居で最後のお参りを済ませたら下げ、新居で新しいものを供える方法が扱いやすいでしょう。

水の入った榊立てや水玉は、運ぶあいだに水がこぼれたり、枝が傷んだりしやすいものです。旧居での最後のお参りでこれまでのお礼を伝え、下げた榊は感謝して処分します。

使い終えた榊の扱いは榊の捨て方の記事で紹介しています。新居では、神棚を取り付けてお札を納める日に合わせて、新しい榊を用意しておくと、最初のお参りから左右の榊がそろいます。

引っ越しで神職を呼ぶ祭事は必要?

新居に移るとき、神職にお祓いを頼むかどうかも考えておきたいところです。

入居前に住まいを清める家祓・清祓

神社本庁は、引っ越しの場合にも、入居前に住まいを清める「家祓(やはらい)」「清祓(きよはらい)」を行うと案内しています。

初めて行うときは、氏神様の神社か近くの神社に相談するようすすめています。

地域によって呼び方が異なることもあるため、神社に問い合わせるときは「引っ越し先の家と神棚のお祓いをお願いしたい」と伝えると話が通じやすくなります。

神棚のお祓いは家移り清祓とあわせて

富山県神社庁によると、新居のお祓い(家移り清祓)は、一般的に神棚のお祓いとあわせて行われます。

そのため、事前に神棚を取り付けてから神職にお祓いを依頼するとよいとしています。家移り清祓は、持ち家だけでなく賃貸住宅など、生活の基盤となる住まいが変わるときに行うもので、これまで神棚を祀っていなかった方にとっても、神棚を祀り始める良い機会だと添えています。

休日の午前中に行われるのが一般的とされますが、日程は神職と打ち合わせて決めます。神棚の取り付け工事が終わる日を確かめてから相談すると、二度手間になりません。

転居で神棚を外すときの神棚祭

旧居の神棚を外すときにも、神職に祭事を頼む方法があります。

栃木県小山市の間々田八幡宮は、転居などの理由で神棚を取り外すときに「神棚祭」を行うと案内しています。神棚を廃止する場合などは、社務所に直接持ち込んでもよいとしています。北海道神社庁も、転居で神棚を外す場合は社務所に申し出てお札を納めるよう呼びかけています。

神職を呼ぶかどうかは家庭によって判断が分かれるところです。迷うときは、旧居の氏神様の神社に相談して決めると安心です。

引っ越し先の新居で神棚はどう祀る?

新居に着いたら、神棚を取り付けてお札を納めます。

新居の氏神様を調べる

新居の氏神様は、自宅に一番近い神社であることが多く、最寄りの神社で神職にたずねると分かります。

神社本庁は、最寄りの神社を訪ねて神職にたずねるよう案内しています。都道府県の神社庁のなかには、住所から近くの神社を検索できるページを設けているところもあります。

たとえば静岡県神社庁は、お近くの神社(氏神様)を検索できるページを案内しています。愛知県神社庁は、検索で表示された神社と実際の氏子の区域に差が出ることもあるため、表示された神社に直接確認するよう添えています。

神棚を取り付けてからお札を納める

新居では、神棚を取り付けて掃除を済ませてから、お札を納めます。

大阪府神社庁は、新しい家に神棚を設えたらお札を祀るよう案内しています。富山県神社庁も、神棚を取り付けてからお祓いを依頼する流れを紹介しています。新居に合わせて宮形を新しくする場合は、神社本庁の案内のとおり、棚板の横幅と奥行き、または天井までの高さを測ってから選ぶと、置き場所に収まりやすくなります。

お札の並べ方は、三社造りなら中央に神宮大麻、向かって右に氏神様、左に崇敬する神社のお札が基本です。詳しくは神棚の魂入れの記事[未公開:006]で紹介しています。

新しい氏神様のお札を受ける

新居に移ったら、新しい氏神様にあいさつし、その神社のお札を受けて祀ります。

神社本庁も大阪府神社庁も、引っ越し後は新しい氏神様のお札を受けてお祀りするよう案内しています。

新しい土地の氏神様にお参りすると、地域のお祭りや行事を知るきっかけにもなります。

家の中で神棚の場所を移動するときは?

リフォームや模様替えで、同じ家の中で神棚の場所を移すこともあります。

方角より祀り方を優先する

家の中で神棚の場所を移すときは、方角だけにこだわらず、落ち着いてお祀りできる場所かどうかを優先します。

富山県神社庁は、神棚の向きは南か東が基本としつつ、四角四面の方位意識より、まず優先されるべきは神棚祭祀のあり方だとしています。

今の場所を選んだ理由を振り返ると、新しい場所の候補も見えやすくなると、同じページで紹介されています。

目線より高く、明るく清らかな場所へ

移す先は、目線より高く、明るく清らかな場所を選びます。

神社本庁は、神棚は清らかで明るく目線より高いところに設け、お札の正面が南か東に向くのがよいとしています。

置き場所の方角や避けたい場所は、神棚の方角の記事で詳しく紹介しています。

移す日は気にしすぎなくてよい

神棚を移す日取りについて、富山県神社庁は特に気にする必要はないとしています。

気になる場合は、暦の不成就日を避けるとよいと添えています。東京都神社庁も、大安や仏滅などの六曜は俗信で、実際の吉凶とはあまり関係がないとしています。

富山県神社庁は、新居のお祓いの日取りについても、大安吉日にこだわるより家族全員がそろうときがよいとしています。

旧居の氏神様にお札を返せないときは?

遠方への引っ越しで、旧居の神社に行けないこともあります。

郵送で返せる神社もある

旧居の神社に行けない場合、郵送でお札を返せる神社もあります。

東京の神田明神は、受けた神社に返すのが基本としつつ、難しい場合は郵送での返納や近くの神社への返納ができる場合があると案内しています。小平神明宮も、郵送で預かってもらえることがあるので、まずは受けた神社に問い合わせるよう呼びかけています。

郵送の受け付け方は神社ごとに違うため、送る前に必ず確かめておくと手間がかかりません。

新しい氏神様でお焚き上げしてもらう方法も

郵送が難しい場合は、神社本庁が案内するように、前のお札を年末まで一緒に祀り、新しい氏神様の神社でお焚き上げしてもらう方法もあります。

年末から年明けにかけては、多くの神社でどんど焼きなどのお焚き上げが行われます。

年末年始の神棚の整え方は、年神様の飾り方の記事[未公開:004]で紹介しています。

よくある質問

Q. 神棚を移す日は大安がいいですか?

A. 東京都神社庁は六曜を俗信としており、富山県神社庁も特に気にする必要はないとしています。家族がそろう日を選ぶ考え方もあります。

Q. 引っ越しを機に神棚を新しくしてもいいですか?

A. 大阪府神社庁は、引っ越し先で新たな神棚を準備するよう案内しています。富山県神社庁は、買い替えのときはお札を素早く新しい神棚に移し、古い神棚の処分はその後にするよう案内しています。

Q. 新居に神棚を取り付けられないときは?

A. 神社本庁は、神棚を設けられない場合はお札を祀るだけでもよいとしています。場所をとらない壁掛け式の簡易神棚もあります。詳しくは神棚をやめたいときの記事[未公開:002]で紹介しています。

Q. 旧居のお札は郵送で返せますか?

A. 神田明神のように、郵送での返納を受け付ける場合がある神社もあります。送る前に、お札を受けた神社に確かめておくと確実です。

まとめ

神棚の引っ越しは、次の順で進めると慌てずに済みます。

  • 旧居の氏神様にお礼を伝え、お札を返すか年末まで祀るかを相談する
  • お札は白い布か紙で包んで自分で運び、神棚はタオルで包んで立てたまま箱に詰める
  • 新居では神棚を取り付けてからお札を納め、新しい氏神様のお札も受ける
  • 日取りは気にしすぎず、家族がそろう日を選ぶ

新しい住まいで最初に整えた神棚は、新しい暮らしの始まりを見守る場所になります。

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参考・出典

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