神棚のろうそく・灯籠は必要?灯明の意味とLEDの使い方を榊農家が解説

神棚

神棚のろうそくや灯籠は、神前を明るくするための「灯明」です。東京都神社庁は、常に神前を明るくするために「神灯」も一対用意するとし、最近では電灯式のものが多く見られると案内しています。

火を使うことに不安があって、灯明だけ省いたままになっている、というご相談をいただくことがあります。

私たち「高嶺の榊」は、富士山の麓で神棚に供える榊を育てている榊農家です。神棚まわりの道具について、神社庁や神社、消防の案内で確かめられることをまとめました。

私たちについて
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日本の神様には日本の榊を。富士山の麓で大切に育てた榊を榊農家が直送でお届けします。

神棚のろうそくにはどんな意味がある?

まず、灯明が何のためのものかを整理します。

神前を明るくするための灯

東京都神社庁は、常に神前を明るくするために「神灯」も一対用意するとしています。

同じ案内は、神灯は神社に灯籠があるのと同じ意味合いだと説明しています。

神社本庁も、神棚には宮形の前に置く神鏡や、神前を明るくするための神灯など、さまざまな装飾品があるとしています。

明かりを供えるという考え方が、灯明の中心にあります。神具のなかでは、榊立てや瓶子と並んで案内されることの多い道具です。

神社の灯籠と同じ意味合い

愛知県神社庁は、社殿の内部や境内で灯を献ずるための常設のものを灯籠と呼ぶと説明しています。

そのうえで、神棚にも同じように明かりを献ずるために点す、としています。

神社に参拝したときに見る灯籠と、神棚の灯明は地続きのものだ、という整理です。同じ案内では、ろうそくを用いることもあるとされています。

参道や社殿に並ぶ灯籠は、常設で灯を献ずるためのものです。神棚の灯明は、その働きを家のなかに移したものといえます。

一対で用意する形が基本

東京都神社庁の案内では、神灯を「一対」用意するとされています。

左右に1つずつ置く形です。榊立てや瓶子と同じく、左右対称に整える考え方が取られています。どちらか片方だけでは据わりが悪く見えるため、そろえるなら2つ一組で考えます。

北海道神社庁も、神棚に用いる神具として、結燈台(ローソク立)あるいは燈籠(電気式)を挙げています。器の並べ方は、神棚の水入れの記事でまとめています。

神棚にろうそく・灯籠は必ず必要?

そろえるかどうかで迷ったときの考え方です。

神具は置ける範囲でそろえてよい

群馬県前橋市の産泰神社は、神具は装飾品なので、スペースがない場合は無理して用意しなくてよいとしています。

同じ神社は、すべて揃えるのが理想としつつ、「お神札と神饌だけ」「お神札と神饌と榊だけ」でも問題ないと説明しています。何から用意するかは、置ける広さによって変わるということです。

神社本庁も、宮形の有無などにとらわれすぎてお祀りしないより、出来る形でお祀りすることが大切だとしています。灯明がないから失礼にあたる、という案内は見当たりません。

小さな神棚では置き場所が限られる

お神札立てや薄型の神棚では、灯明を置く場所が取れないこともあります。

伊勢宮忠は、宮形を選ぶときに、神具やお供え物を置く奥行きも必要になるため余裕をみるようすすめています。

みす平總卸店は、三社宮なら棚板は2尺5寸(約75cm)以上が目安で、一般的な棚板は3尺6寸5分(約110cm)だとしています。灯明まで左右に並べるなら、この幅が一つの目安になります。

灯明を使いたい場合は、宮形を選ぶ段階で左右の余白を見ておくと収まりやすくなります。神棚の選び方は、簡易神棚・モダン神棚の記事で紹介しています。

榊と水が先という考え方

産泰神社の案内では、「お神札と神饌と榊だけ」という形も挙げられています。

神社本庁は、神棚の両側に榊をお供えし、毎日水を取り替えてみずみずしさを保つよう案内しています。

榊は常に緑を保つ常緑樹で、古くから御神前へのお供えに使われてきました。先にそろえるものを決めるなら、お札・お供え・榊が軸になります。

榊立ての選び方は、榊立ての記事で紹介しています。

神棚のろうそくはいつ灯す?

点ける時間と消す時間の考え方です。

お参りのときだけ火を点ける

福島県福島市の福島稲荷神社は、お灯明のロウソクはお参りするときだけ火を付けるとしています。

一日中点けたままにする形ではありません。

東京都青梅市の武蔵御嶽神社も、榊があれば水を取り替え、灯明があれば火をともして拝礼するという順序で説明しています。

点ける時間が短ければ、その分だけ火のそばを離れる時間も短くなります。

拝礼が終わったら消す

武蔵御嶽神社は、灯明の火は拝礼が終わったら消しておくことをすすめています。

点けっぱなしにしないことが、案内のなかではっきり示されています。

火を使う以上、その場を離れる前に消えているかを確かめる形になります。福島稲荷神社の案内も、お参りするときだけ火を付けるという同じ考え方です。

毎日のお参りに組み込む

北海道神社庁は、毎朝心をこめて一日の平安を祈るとしています。

同じ神社庁は、毎月一日・十五日や家族・会社の記念日、正月などの節目には揃っておまいりするとも案内しています。

石川県金沢市の大野湊神社は、お参りの時間帯の例として、朝食の前、就寝の前、出社時、帰宅時、作業開始前などを挙げ、おまつりの仕方は各家庭・職場で決めてよいとしています。点ける時間も、この流れのなかで決められます。

神棚のろうそくをLEDに替えてもよい?

火を使わない灯明も、広く案内されています。

電灯式は神社庁の案内にもある

東京都神社庁は、最近では電灯式のものが多く見られるとしています。

灯明を電気式にすることが、神社庁の案内のなかで触れられているということです。

北海道神社庁も、神具として「燈籠(電気式)」を挙げています。電気式が例外的な選択ではない、と分かります。

愛知県神社庁も、神棚に明かりを献ずるために点すとしたうえで、ろうそくを用いることもある、という書き方をしています。ろうそくが唯一の形ではないということです。

防火の観点からすすめる神社もある

福島稲荷神社は、防火の観点からロウソクは使わずに電気式のお灯明がよいとしています。

火を使わない形をはっきりすすめている例です。

小さなお子さんがいるご家庭や、人のいない時間がある事務所・店舗では、この選択が現実的になります。会社の神棚については、会社の神棚の記事でまとめています。

電気式でも点検はいる

兵庫県の豊岡市消防本部は、電気式の灯明は定期的に器具や配線を点検するよう案内しています。

火を使わなくても、器具や配線からの出火はあり得るという考え方です。

同じ消防本部は、神棚と仏壇のろうそくや線香が原因となる火災があるとして、注意を呼びかけています。

コードを引き回す場合は、榊の水やお供えの水がかからない経路にしておくと安心です。

ろうそく立て・灯籠はどう選ぶ?

道具そのものの選び方です。

結燈台と灯籠がある

北海道神社庁は、神具として結燈台(ローソク立)あるいは燈籠(電気式)を挙げています。

ろうそくを立てる道具が結燈台、明かりを入れる灯籠型のものが燈籠です。

愛知県神社庁は、灯籠を、社殿の内部や境内で灯を献ずるための常設のものと説明しています。神棚用のものは、その形を小さくしたものにあたります。

どちらを選んでも、東京都神社庁の案内にある「一対」という形は変わりません。

ろうそく立てに合う大きさのろうそくを使う

豊岡市消防本部は、ろうそく立てに合った大きさのろうそくを使用するよう案内しています。

太さや高さが合っていないと、傾いたり倒れたりする原因になります。

道具を先に決めてから、それに合うろうそくを選ぶ順序になります。

東京消防庁の資料では、ロウソク火災の経過として可燃物の接触が最多とされています。倒れにくい組み合わせにしておくことが、そのまま備えになります。

置き場所は宮形の左右

東京都神社庁の案内では、神灯を一対用意するとされています。

左右に1つずつ置く形です。榊立てや水の器と場所を取り合うことがあるので、棚の奥行きも確かめておきます。

福島稲荷神社は、宮形の手前にお供えを置くため、棚の奥行きは宮形に10cmほど足した余裕をみるとよいとしています。

神棚のろうそくで火事にならない?

火を使う以上、数字も見ておきます。

ロウソク火災の4割以上が灯明

東京消防庁によると、令和6年中の管内のロウソク火災は39件で、使用目的は灯明が16件と4割以上を占めています。

同じ資料では、この年のロウソク火災による負傷者は14名とされています。件数は前年より1件増えています。

この数字は東京消防庁管内のもので、全国の件数ではありません。

数としては多くありませんが、灯明が原因の上位を占めているという事実は押さえておきたいところです。

出火の経過は可燃物の接触が最多

東京消防庁は、ロウソク火災の経過として、可燃物が接触して出火が10件(25.6%)で最多だとしています。

燃えるものが近くにあることが、出火につながっているという整理です。

豊岡市消防本部も、ろうそくと供花・供物を十分に離すよう案内しています。神棚では、榊やお供えとの距離がここにあたります。

神棚は、榊・お供え・お札と、燃えるものが集まる場所でもあります。灯明を置く位置は、その点から決められます。

消防も神棚の火災に触れている

兵庫県の豊岡市消防本部は、神棚と仏壇のろうそくや線香が原因となる火災があるとして、注意を呼びかけています。

地域の消防本部が、家庭の祭祀にまつわる火災として取り上げている例です。

東京消防庁の資料でも、ロウソク火災の使用目的の4割以上が灯明とされています。神棚だけの統計ではありませんが、灯明という使い方が火災につながっている点は共通しています。

離す・消す・点検するの3つ

火を使う場合に案内されているのは、離す、消す、点検するの3つです。

豊岡市消防本部は、ろうそく立てに合った大きさのろうそくを使うこと、ろうそくと供花・供物を十分に離すこと、電気式の灯明は定期的に器具や配線を点検することを挙げています。

武蔵御嶽神社は、灯明の火は拝礼が終わったら消しておくことをすすめています。福島稲荷神社は、お参りするときだけ火を付けるとしています。

この3つは、どれも特別な道具を必要としません。置き方と手順を決めておくだけで実行できます。

よくある質問

Q. 神棚にろうそくは必ず必要ですか?

A. 産泰神社は、神具は装飾品なので、スペースがない場合は無理して用意しなくてよいとしています。神社本庁も、出来る形でお祀りすることが大切だとしています。

Q. ろうそくと灯籠はどちらがよいですか?

A. 北海道神社庁は、神具として結燈台(ローソク立)あるいは燈籠(電気式)を挙げています。どちらでなければならない、という案内は見当たりません。

Q. LEDの灯明でも失礼になりませんか?

A. 東京都神社庁は、最近では電灯式のものが多く見られるとしています。福島稲荷神社は、防火の観点から電気式のお灯明がよいとしています。

Q. ろうそくは点けたままでもよいですか?

A. 武蔵御嶽神社は、灯明の火は拝礼が終わったら消しておくことをすすめています。福島稲荷神社は、お参りするときだけ火を付けるとしています。

Q. 灯明の近くに榊を置いても大丈夫ですか?

A. 豊岡市消防本部は、ろうそくと供花・供物を十分に離すよう案内しています。東京消防庁の資料でも、可燃物の接触がロウソク火災の経過として最多です。

まとめ

神棚の灯明について、確かめられる点をまとめます。

  • 灯明は神前を明るくするためのもので、神社の灯籠と同じ意味合い
  • 一対で用意する形が案内されている
  • 神具は置ける範囲でそろえればよく、なくても失礼にはあたらない
  • 点けるのはお参りのときで、拝礼が終わったら消す
  • 電灯式は神社庁の案内にもあり、防火の観点からすすめる神社もある
  • 火を使う場合は、供花・供物から十分に離す

道具をそろえることより、続けられる形にすることが先になります。

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参考・出典

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