神棚の祝詞はどう唱える?毎朝のお参りの作法を榊農家が解説

神棚

神棚の前で唱える祝詞は「神棚拝詞」と呼ばれます。東京都神社庁は、神棚拝詞を奏上する場合、奏上前に二拝をし、奏上後に二拝二拍手一拝をするとしています。

毎朝手を合わせてはいるものの、何か唱えたほうがよいのか、順番はこれで合っているのか、と気になる方は少なくありません。

私たち「高嶺の榊」は、富士山の麓で神棚に供える榊を育てている榊農家です。毎朝のお参りについて、神社庁や神社本庁の案内で確かめられることをまとめました。

私たちについて
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日本の神様には日本の榊を。富士山の麓で大切に育てた榊を榊農家が直送でお届けします。

神棚の祝詞とはどんなもの?

まず、祝詞という言葉の指すものを整理します。

神棚の前で唱えるのが神棚拝詞

神棚の前で唱える祝詞は、「神棚拝詞」と呼ばれています。

東京都神社庁は、神棚拝詞を奏上する場合の拝礼の順序を案内しています。

神社本庁が刊行している『神拝詞』には、大祓詞・祓詞・略祓詞・神社拝詞・神棚拝詞・祖霊拝詞・略拝詞が収められています。神棚拝詞は、そのなかのひとつです。

神社に参拝するときの神社拝詞、祖霊に向かって唱える祖霊拝詞など、場面ごとに分かれているのが分かります。

神社庁によって掲載されている文言が異なる

神棚拝詞には、掲載されている文言に違いがあります。

東京都神社庁は「此の神床に坐します」で始まる版を掲載しています。

北海道神社庁は「此の神床に仰ぎ奉る」で始まる版を、「一例」として掲載しています。どちらか一方が正しい、という書き方はされていません。

いずれの版も、神棚に祀る神さまに日々の感謝を申し上げる形は共通しています。

氏神様の神社で受けられる場合もあるため、迷うときは尋ねてみる形になります。

特別な唱えことばがない場合もある

神社本庁は、神道では特別な唱えことばはないとしています。

そのうえで、神社に参拝するときや神棚を拝むときには「祓え給い、清め給え、神ながら守り給い、幸え給え」と唱える場合もある、と案内しています。

長い祝詞を覚えていなくても、お参りができないということではありません。

神社本庁は、参拝作法について、変遷を経て現在の形になったとも説明しています。時代によって変わってきたものだ、という書き方です。

神棚の祝詞(神棚拝詞)の文言は?

東京都神社庁が掲載している文言を挙げます。

東京都神社庁が掲載している神棚拝詞

東京都神社庁の神棚拝詞は、次の文言です。

此の神床に坐します掛けまくも畏き天照大御神・産土大神等の大前を拝み奉りて恐み恐みも白さく 大神等の広き厚き御恵を辱み奉り 高き尊き神教の随に直き正しき真心以て誠の道に違う事なく 負い持つ業に励ましめ給い 家門高く身健やかに世のため人のために尽くさしめ給えと恐み恐みも白す

読み下しの表記や振り仮名は、掲載する神社庁によって異なることがあります。

奏上するときは、区切りごとに間を取りながらゆっくり読むと唱えやすくなります。

天照大御神と産土大神に申し上げる形

文言のなかでは、天照大御神と産土大神が呼びかけの対象になっています。

産土大神は、その土地をお護りくださる神さまを指します。神棚に祀るお札の並びとも重なります。

神社本庁は、三社造りでは中央に神宮大麻、向かって右に氏神様、左に崇敬する神社のお札を納めるとしています。お札の並べ方は、神棚の魂入れの記事でまとめています。

愛知県神社庁は住所から氏神様を探せる検索を用意していますが、表示された神社と氏子区域に差があることもあるため、直接確認するよう添えています。産土の神社が分からないときの手がかりになります。

家族の健康と務めを願う言葉

後半は、負い持つ業に励み、家門高く身健やかに、世のため人のために尽くすことを願う言葉が続きます。

自分の願い事だけを並べる形ではありません。世のため人のために尽くすことまでが、ひと続きの言葉として収められています。

北海道神社庁は、神棚を家庭や会社の繁栄と安全を祈る精神的中心だとしています。唱える言葉の中身とも重なります。

読み方が分からない字があるときは、振り仮名の付いた掲載を探すか、氏神様の神社に尋ねる方法があります。

毎朝同じ言葉を唱えることで、一日の始まりに区切りがつく、という続け方をされている方もいます。

神棚の祝詞を唱えるときの作法は?

拝礼の順序には、はっきりした案内があります。

基本は二拝二拍手一拝

東京都神社庁は、神拝の作法は神社参拝の作法と同様に二拝二拍手一拝だとしています。

神社本庁も、参拝作法は変遷を経て現在「再拝(礼)・二拍手・一拝(礼)」が基本形だとしています。

同じ案内では、神社によっては特殊な拝礼方法を行っているところもあるとされています。

拝は深いお辞儀、拍手は手を打つ動作を指します。神社の拝殿で行う形と同じです。

祝詞を唱える場合は前に二拝

東京都神社庁は、神棚拝詞を奏上する場合、奏上前に二拝をし、奏上後に二拝二拍手一拝をするとしています。

順にすると、二拝、奏上、二拝、二拍手、一拝という流れです。

祝詞を唱えない場合は、二拝二拍手一拝だけになります。拍手が奏上の後に来る点が、唱えない場合との違いです。

祓詞を先に唱える形もある

北海道神社庁は、神棚拝詞とあわせて祓詞も掲載しています。

拝礼の前に祓詞を唱える形も、案内のなかに含まれているということです。

家庭でどこまで行うかは決まっていません。神社本庁は、神道では特別な唱えことばはないとしたうえで、短い唱えことばの例を挙げています。

北海道神社庁は、掲載した神棚拝詞を「一例」としています。決まった形に縛られない書き方です。

神棚の祝詞は毎日唱えるもの?

続け方は、家庭や職場ごとに決められます。

毎朝のお参りが基本とされている

北海道神社庁は、神棚には家や会社、工場などを護ってくださる神札をおまつりしているので、毎朝心をこめて一日の平安を祈るとしています。

祝詞を唱えるかどうかにかかわらず、毎朝手を合わせる形が基本として案内されています。

同じ神社庁は、毎月一日・十五日や家族・会社の記念日、正月などの節目には揃っておまいりするとしています。

神社本庁は、神棚を清らかで明るく目線より高いところに設けるとしています。手を合わせやすい場所にあることも、続ける条件になります。

時間帯は各家庭・職場で決めてよい

石川県金沢市の大野湊神社は、おまつりの仕方は各家庭・職場で決めてよいとしています。

同じ神社は、お参りの時間帯の例として、朝食の前、就寝の前、出社時、帰宅時、作業開始前などを挙げています。

朝に時間が取れない日があっても、帰宅時に手を合わせる形で続けられます。決めた時間に手を合わせる形にしておくと、家族のあいだでも共有しやすくなります。

会社の神棚については、会社の神棚の記事でまとめています。

榊の水替えと合わせる

東京都青梅市の武蔵御嶽神社は、榊があれば水を取り替え、灯明があれば火をともして拝礼するという順序で説明しています。

お参りの前に、お供えを整えるという流れです。

神社本庁も、神棚の両側には榊をお供えし、毎日水を取り替えてみずみずしさを保つよう案内しています。榊は常に緑を保つ常緑樹で、古くから御神前へのお供えに使われてきました。

榊立ての水をこまめに替えると、茎の傷みや水の濁りが出にくくなります。

神棚の祝詞を覚えていないときは?

長い文言を暗記していなくても構いません。

短い唱えことばの例がある

神社本庁は、「祓え給い、清め給え、神ながら守り給い、幸え給え」と唱える場合もあるとしています。

短い言葉なので、覚えやすい形です。

神道では特別な唱えことばはない、という前置きのうえでの案内です。決まった文言を唱えなければならない、という案内にはなっていません。

神社本庁の参拝方法の案内でも、神社によっては特殊な拝礼方法を行っているところもあるとされています。形は一つではありません。

紙に書いて手元に置く

文言を書いたものを手元に置いて読む形もあります。

神社本庁の『神拝詞』は、かつての無償提供が終了し、現在は書籍販売サイトで販売されています。

神棚拝詞を掲載している神社庁のページは、どなたでも読めます。見ながら唱える方もいます。

覚えることが目的ではないので、読み上げる形で差し支えありません。

唱えなくても失礼にはあたらない

神社本庁は、宮形の有無などにとらわれすぎてお祀りしないより、出来る形でお祀りすることが大切だとしています。

神棚の祀り方について書かれた言葉ですが、日々のお参りにも通じる考え方です。

産泰神社も、すべて揃えるのが理想としつつ「お神札と神饌と榊だけ」でも問題ないとしています。形より続けることを優先した案内です。

二拝二拍手一拝だけでも、手を合わせる時間が持てます。

自宅の神棚で毎朝することは?

祝詞の前後に行うことを並べます。

水とお供えを新しくする

武蔵御嶽神社は、榊があれば水を取り替え、灯明があれば火をともして拝礼するとしています。

水の器や榊立ての水を替えてから、拝礼に入る流れです。

東京都神社庁は、常に神前を明るくするために「神灯」も一対用意するとしています。灯明がある神棚では、水替えと合わせて点す形になります。

器の選び方と置き方は、神棚の水入れの記事でまとめています。

灯明を点けて、終わったら消す

武蔵御嶽神社は、灯明の火は拝礼が終わったら消しておくことをすすめています。

福島県福島市の福島稲荷神社も、お灯明のロウソクはお参りするときだけ火を付けるとしています。

東京消防庁によると、令和6年中の管内のロウソク火災は39件で、使用目的の4割以上が灯明です。消し忘れを防ぐ意味でも、拝礼のあとに確かめる形になります。

灯明の扱いは、神棚のろうそく・灯籠の記事でまとめています。

榊の緑を保つ

榊は、水を替えていると長く緑を保ちます。

高嶺の榊では、収穫した榊を専用の冷蔵庫で保管し、鮮度保持袋に入れてお届けしています。届いてからの持ちは、切り口と水の管理で変わります。

群馬県前橋市の産泰神社は、榊の交換を毎月1日・15日の月次祭にあわせても問題ないとしています。毎日の交換が理想としたうえでの案内です。

長さは25cm・30cm・36cmの3種類で、小さな神棚には25cm、大きめの宮形には36cmが収まります。榊立ての選び方は、榊立ての記事で紹介しています。

よくある質問

Q. 神棚の前では必ず祝詞を唱えますか?

A. 神社本庁は、神道では特別な唱えことばはないとしています。東京都神社庁の案内も、神棚拝詞を奏上する「場合」の作法として書かれています。

Q. 拝礼の順番はどうなりますか?

A. 東京都神社庁は、神棚拝詞を奏上する場合、奏上前に二拝をし、奏上後に二拝二拍手一拝をするとしています。唱えない場合は二拝二拍手一拝です。

Q. 神棚拝詞の文言が本によって違いますが、どれが正しいですか?

A. 東京都神社庁は「此の神床に坐します」で始まる版を、北海道神社庁は「此の神床に仰ぎ奉る」で始まる版を「一例」として掲載しています。どちらかが誤りという書き方はされていません。

Q. 短い言葉で済ませてもよいですか?

A. 神社本庁は「祓え給い、清め給え、神ながら守り給い、幸え給え」と唱える場合もあるとしています。

Q. 毎日唱えないといけませんか?

A. 北海道神社庁は毎朝心をこめて一日の平安を祈るとしていますが、大野湊神社は、おまつりの仕方は各家庭・職場で決めてよいとしています。

まとめ

神棚の祝詞について、確かめられる点をまとめます。

  • 神棚の前で唱える祝詞は「神棚拝詞」
  • 奏上する場合は、前に二拝、後に二拝二拍手一拝(東京都神社庁)
  • 唱えない場合は二拝二拍手一拝
  • 文言は神社庁によって異なる版が掲載されている
  • 神道では特別な唱えことばはなく、短い唱えことばの例もある
  • お参りの時間帯は各家庭・職場で決めてよい
  • 榊の水替えや灯明の扱いと合わせると、お参りが習慣として続きやすい

覚えることより、毎朝手を合わせる時間が続くことが先になります。

「高嶺の榊」では、富士山の麓の自社畑で育てた国産榊を、25cm・30cm・36cmの3つの長さでお届けしています。1回のお届けは2束1対なので、左右に1束ずつ挿せます。月1回と月2回のどちらかを選べ、全品送料無料で郵便ポストに配達されます。

参考・出典

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