神棚の鏡(神鏡)の意味は?置き方・向きと手入れを榊農家が解説

神棚

神棚の鏡は「神鏡」と呼ばれ、宮形の前に置く神具です。東京都神社庁は、神鏡の起源を『古事記』『日本書紀』の神勅に求めることができるとし、神さまのお姿は目に見えないが、この鏡を神さま自身と思って見よということだと説明しています。

神棚に鏡がある家とない家があり、「うちのは置き方が合っているのだろうか」と気になる方は少なくありません。

私たち「高嶺の榊」は、富士山の麓で神棚に供える榊を育てている榊農家です。神具についてのご相談も多いので、神鏡の意味と扱いを、神社庁や神社、神具店の案内をもとにまとめました。

私たちについて
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日本の神様には日本の榊を。富士山の麓で大切に育てた榊を榊農家が直送でお届けします。

神棚の鏡(神鏡)にはどんな意味がある?

まず、由来として案内されているところから整理します。

神話の神勅に起源が求められる

東京都神社庁は、神鏡の起源を『古事記』と『日本書紀』の神勅に求めることができるとしています。

『古事記』の「此れの鏡は専ら我が御魂として、吾が前を拝くがごとく、斎き奉れ」、『日本書紀』の「吾が児、此の宝鏡を視まさむこと、まさに吾を視るがごとくすべし」という言葉が挙げられています。

同じ案内は、神さまのお姿は目に見えないが、この鏡を神さま自身と思って見よということだと説明しています。

神鏡が何を表すものかは、この一文に集約されています。神社本庁も、天孫降臨の神話のなかで三種の神器が伝えられたとしており、神鏡の説明はこの神話とつながっています。

三種の神器のひとつも鏡

神社本庁は、三種の神器を八咫鏡・八尺瓊勾玉・草薙剣としています。

鏡が、剣や勾玉と並ぶものとして伝えられてきたということです。

神棚の神鏡は、その形を家のなかに写したものにあたります。神社の社殿にある鏡を見たことがある方には、同じものが小さくなった姿として分かりやすいかもしれません。

神棚に祀るお札も、伊勢神宮の神宮大麻を中心に据える形が案内されています。神社本庁は、三社造りでは中央に神宮大麻、向かって右に氏神様、左に崇敬する神社のお札を納めるとしています。

神の依代とする説明もある

仏壇屋 滝田商店は、神鏡を、神の依代となる鏡だと説明しています。

依代は、神霊が宿るとされるもののことです。

神社庁の案内は「神さま自身と思って見よ」という神勅を根拠にしており、神具店では依代という言葉で説明されています。どちらも、鏡を単なる飾りとしては扱っていません。

由来には諸説が語られることもありますが、公的な案内で確かめられるのは、この神勅に基づく説明です。

神棚に神鏡は必ず置くもの?

そろえるかどうかで迷ったときの考え方です。

神具のひとつとして案内されている

神社本庁は、神棚には宮形の前に置く神鏡や、神前を明るくするための神灯など、さまざまな装飾品があるとしています。

「装飾品」という言葉で説明されている神具のひとつです。

北海道神社庁も、神棚をまつるために必要なものを尋ねる質問への答えのなかで、神具を挙げています。

同じ神社庁は、神具として結燈台(ローソク立)あるいは燈籠(電気式)も挙げています。灯明については、神棚のろうそく・灯籠の記事でまとめています。

置ける範囲でそろえてよい

群馬県前橋市の産泰神社は、神具は装飾品なので、スペースがない場合は無理して用意しなくてよいとしています。

同じ神社は、すべて揃えるのが理想としつつ、「お神札と神饌だけ」「お神札と神饌と榊だけ」でも問題ないと説明しています。

神社本庁も、宮形の有無などにとらわれすぎてお祀りしないより、出来る形でお祀りすることが大切だとしています。神鏡がないから失礼にあたる、という案内は見当たりません。

東京都神社庁は、神棚のない家庭ではタンスや本棚の上をきれいにして宮形を置くのもよいとしています。まず祀る場をつくることが先、という考え方です。

お札と榊が先にくる

神社本庁は、神棚の両側に榊をお供えし、毎日水を取り替えてみずみずしさを保つよう案内しています。

榊は常に緑を保つ常緑樹で、古くから御神前へのお供えに使われてきました。

そろえる順番に迷うときは、お札、お供え、榊を先に整えてから、神鏡や灯明を足していく形になります。

産泰神社は、榊の交換を毎月1日・15日の月次祭にあわせても問題ないとしています。毎日の交換が理想としたうえでの案内です。榊立ての選び方は、榊立ての記事[未公開:001]で紹介しています。

神棚の鏡の置き方と向きは?

置く位置には、具体的な案内があります。

宮形の扉の前に置く

滝田商店は、神鏡を神棚(お宮)の扉の前に置くとしています。

伊勢宮忠も、神鏡はお神札の前に置くと説明しています。

お札より手前、宮形の正面にあたる位置です。神社本庁の案内でも「宮形の前に置く神鏡」という書き方がされています。

お札より手前に置くものなので、扉の開け閉めに当たらない位置かどうかも見ておきます。

階段を登り切った扉の直前

富山県神社庁は、神鏡を置く場所は原則として階段を登り切ったところ、つまり扉の直前がよいとしています。

宮形には階段が付いているものがあり、その最上段にあたる位置です。

同じ案内では、三社造りの場合、扉はお神札を祀っている所を全開にし、鏡を置く場合も扉は全開にするとされています。

一社造りや箱宮では階段の形が異なるため、扉の直前という考え方を当てはめる形になります。

向きは参拝する側へ

鏡面は、手を合わせる側に向く形になります。

扉の前に正面を向けて置くという案内から、自然にこの向きになります。

複数の宮形を並べている場合や、箱宮のように前面が囲われている形では、収まる位置が変わります。判断に迷うときは、お札を受けている氏神様の神社に尋ねると確実です。

神社本庁は、宮形選びや神棚のお祭りの際は氏神神社の神職に相談するようすすめています。神鏡の置き方も、その場で一緒に聞けます。

宮形の選び方は、簡易神棚・モダン神棚の記事でまとめています。

神鏡の大きさと選び方は?

寸法は「寸」で表されます。

鏡径は1.5寸で4.5cm

滝田商店によると、台付きの神鏡は1.5寸で鏡径4.5cm、2寸で6cm、2.5寸で7.5cm、3寸で9cmです。

数字が大きくなるほど鏡の直径が大きくなります。

神具は寸で表されることが多く、榊立てや瓶子も同じ表し方です。器の選び方は、神棚の水入れの記事[未公開:003]でまとめています。

伊勢神宮によると、神宮大麻は縦24.5cm×横6.8cmです。お札の大きさと見比べると、神鏡の寸法の見当がつきます。

宮形の幅と釣り合う大きさを選ぶ

扉の前に置くものなので、宮形の間口に収まる大きさが前提になります。

伊勢宮忠は、宮形を選ぶときに、神具やお供え物を置く奥行きも必要になるため余裕をみるようすすめています。

神鏡は台が付く分だけ奥行きを取ります。先に宮形を決めてから、そこに収まる寸法を選ぶ順序が分かりやすくなります。

みす平總卸店は、三社宮なら棚板は2尺5寸(約75cm)以上が目安だとしています。棚の幅から逆算する方法もあります。

台の形にも種類がある

神鏡には台が付いたものがあり、形にはいくつかの種類があります。

滝田商店の案内でも、台付きの神鏡として寸法が示されています。

木の台のもの、彫りの入ったものなど、宮形の材質に合わせて選べます。神棚全体の印象に合うかどうかも、選ぶ手がかりになります。

神具をそろえる順番に決まりはありません。産泰神社の案内のように、置ける範囲から足していく形で構いません。

曇った神棚の鏡はどう手入れする?

鏡は放っておくと曇ります。

洗わないと1年ほどで曇る

伊勢宮忠は、神鏡を洗わないと1年くらいで曇るとしています。

毎日の拝礼で目にする場所なので、曇りは意外と目立ちます。ただ、曇りは少しずつ進むため、毎日見ているほど気づきにくい部分でもあります。

同じ店は、月に一度は中性洗剤と手を使って洗うとしています。

中性洗剤と手で洗う

伊勢宮忠は、月に一度は中性洗剤と手を使って洗うと案内しています。

布でこするのではなく、手で洗うという説明です。

同じ案内では、ごしごし拭くと傷が付くとされています。金属製の鏡面は傷が残りやすいため、力を入れずに扱う形になります。

洗ったあとに水気を残さないようにしておくと、跡が残りにくくなります。

神棚の手入れと合わせる

手入れの時期は、神棚全体の掃除と合わせると続けやすくなります。

北海道神社庁は、毎月一日・十五日や家族・会社の記念日、正月などの節目には揃っておまいりするとしています。

月の初めに榊を替える方であれば、そのタイミングで鏡も見てみる形になります。榊を替えるときに神棚まわりを拭く、という形にしておくと、手入れが別の作業になりません。

高嶺の榊では、月1回と月2回のどちらかを選べる定期便でお届けしています。

古くなった神棚の鏡はどう処分する?

神具は、木の神棚とは扱いが変わります。

鏡や土器はお焚き上げができない

伊勢宮忠は、木製の神棚と違い、鏡や土器などの神具はお焚き上げができないとしています。

燃えない材質だからです。

同じ案内では、塩で清めてから不燃物として自治体のルールに従って処分するとされています。木の宮形と同じ扱いにはできない、という点が要点です。

神社の納め所に納められる場合もある

岩手県金ケ崎町の鶴ヶ峰熊野神社は、古くなって処分したい神棚や破損した祭器具について案内しています。

注連縄・神鏡などの祭器具は、古いお札やお守りと同様に神社の「古札等納め所」に納めてかまわない、という内容です。

神社によって扱いが異なるため、納める前に問い合わせておくと確実です。

神田明神は、お札は受けた神社に返すのが基本としつつ、難しい場合は郵送での返納や近くの神社への返納ができる場合があるとし、返す神社に直接尋ねるよう案内しています。

神棚ごと手放すときは

神棚そのものを手放す場合は、氏神様の神社に相談できます。

富山県神社庁は、神棚をお祭りすることができなくなった場合には神棚納めのお祓いをするとし、祭典終了後は最寄りの氏神神社に幣帛料を添えて納めると案内しています。

千葉県君津市の六手八幡神社は、神棚奉斎を、新たに神棚を設置する際や撤去する際に行う祭りだと説明しています。

手放す・軽くするという選択については、神棚をやめたいときの記事でまとめています。

よくある質問

Q. 神棚に鏡は必ず必要ですか?

A. 神社本庁は、神鏡を神棚の装飾品のひとつとして紹介しています。産泰神社は、神具はスペースがない場合に無理して用意しなくてよいとしています。

Q. 神鏡はどこに置きますか?

A. 滝田商店は宮形の扉の前、伊勢宮忠はお神札の前としています。富山県神社庁は、原則として階段を登り切ったところ、つまり扉の直前がよいとしています。

Q. 神鏡を置くと扉は閉めますか?

A. 富山県神社庁は、三社造りの場合、扉はお神札を祀っている所を全開にし、鏡を置く場合も扉は全開にするとしています。

Q. 曇ってきたらどう手入れしますか?

A. 伊勢宮忠は、月に一度は中性洗剤と手を使って洗うとしています。ごしごし拭くと傷が付くため、力を入れずに扱う形です。

Q. 古い神鏡はどう処分しますか?

A. 伊勢宮忠は、鏡や土器はお焚き上げができないため、塩で清めてから不燃物として自治体のルールに従って処分するとしています。神社の納め所で受けている例もあります。

まとめ

神棚の鏡について、確かめられる点をまとめます。

  • 神鏡の起源は『古事記』『日本書紀』の神勅に求められる(東京都神社庁)
  • 神さまのお姿は目に見えないが、鏡を神さま自身と思って見よという意味
  • 置く場所は宮形の扉の前、階段を登り切ったところ
  • 鏡を置く場合も扉は全開にする(富山県神社庁)
  • 大きさは1.5寸で鏡径4.5cm、3寸で9cm
  • 月に一度、中性洗剤と手で洗うと曇りにくい
  • 鏡はお焚き上げができないため、処分方法が木の神棚とは異なる

毎日目にするものなので、曇りに気づいたときが手入れの頃合いです。

「高嶺の榊」では、富士山の麓の自社畑で育てた国産榊を、25cm・30cm・36cmの3つの長さでお届けしています。1回のお届けは2束1対なので、左右に1束ずつ挿せます。全品送料無料で郵便ポストに配達されます。

参考・出典

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